尾形光琳の金屏風の思い出

熱海にあるMOA美術館では尾形光琳の没後300年を記念して、「燕子花と紅白梅 光琳アート 光琳と現代美術」という特別展が、3月3日まで催されています。
MOA美術館 尾形光琳300年忌記念特別展「燕子花と紅白梅」 
国宝に指定されている「紅白梅」の金屏風は、誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。
それほど凄い芸術作品ですが、実は私、数センチの距離まで近付いたことがあります。
それもバリアなしで。
これ、書いても大丈夫かな? と、恐る恐る書いてしまいます。
この金屏風、今でこそ美術館のガラス・ケースの中に納められ、ご大層に鎮座していますが昔は違いました。今から彼是、40年ぐらい前、まだMOA美術館が無い頃の話です。
熱海市役所の直ぐ北側に、熱海観光会館と呼ばれる建物がありました。
その2階に市の小さな図書室があったのです。
建物の2階の2/3程の広さを図書室が占めていましたが、同じフロアに普段は人の出入りが無い部屋がありました。
で、好奇心全開で、その部屋に入ったことがあるのです。
そこは古めかしい古文書や剥製、土器などが雑然と並べられた部屋でした。
たぶん大切な郷土資料や価値のある物を、仕舞っておくための部屋だったのでしょう。
その部屋の中に、なんともそっけなく立てられていたのです、金屏風が。
小学生の子供ですが、なんとなくこれに触ったり悪戯したらダメだ。その程度の危険予知能力はありましたし、たぶん簡単に触れないオーラがあったのかもしれません。でも、顔がくっつくほどの距離で、暫く眺めていたことを覚えています。
今思えば本物の美術品に初めて触れた瞬間で、貴重な経験でもあり大切な思い出です。
神奈川県小田原市荻窪314正和ビルみなみ302

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