新国立競技場は大丈夫か

新国立競技場の建物概要が、いろいろと見直されるそうな。
当初から想定されていた8万人収容できる施設と言う概要が変更され、五輪開催時には仮設スタンドを設置して8万人を収容し、五輪終了時に5万人収容の建物とするらしい。また独特のフォルムをしていた屋根工事は後回しと、五輪終了後に工事をして完成させるらしい。
たぶん周辺地域との関係や建設資金、その他、完成後の維持に関する懸念から、だんだんと建物概要が変更されているのかもしれない。ま、都知事からのクレームによる、内容の変更のような気がしないでもないが。
建築業界の中では、コンペによる案が決定された時から、「この案で大丈夫なのか?」という懸念があった。そもそもこの案が決定したのには、次の三つが大きな軸を兼ね備えており、そこが評価されていた筈だ。
・8万人を収容する競技場
・陸上競技のみならず多面的に利用できる可動屋根を設置した施設
・2019年のラグビー・ワールドカップ 2020年の五輪に間に合う施工性の良い建物
新国立競技場 国際デザイン・コンクール
既に全部が崩壊しているように感じるのは、私だけだろうか?
大規模な建物計画の場合、いろいろな問題から若干の計画修正が成されることはあるが、こうまで根本から変わってしまうと、「そもそも、なんでこの案を選んだの?」と、考えてしまう。また現都知事は、協力は惜しまないと言いながらも、その実、何も協力していないようにも感じる。これ東京オリンピックだよね? なんで非協力的なのか理解に苦しむ。
基本、ブログに政治と野球のことは書かない主義だが、新国立競技場建設のことを書くと、なにやら政治のキナ臭さがプンプンしてくるのは、とっても残念。
これを住宅の話に置き換えてみると、「希望は家族四人が住む家を、総額2000万円で考えて」と要望されて考えたプランを、採用した後で、「やっぱり出せる予算は1500万円まで。しかも家族があと一人増えるけど、基本このままで遣ってね。こっちも出来る限りのことはするから頑張って」と言われている感じ。……残念だけど頑張れないから。
日本が持つ技術や経験、知識や工夫を最大限に発揮し、一致団結して五輪を盛り上げてこそ、五輪を楽しみにしている世界中の人に対する、本当の意味での「日本のおもてなし」なのだと思う。
今後の動向を見守りたい。