叩く

叩く その1
白バイに呼び止められたピンクの原チャリ。
乗っていたのは二十歳前後の女の子。
コンビニの駐車場に停めさせられ
白バイ隊員に、かなり激しく怒られていた。
白バイ隊員は、原チャリの後部ウィンカーがオレンジ色ではなく
透明なことを違反だと指摘し
その部分を激しくバンバン叩きながら
「ここは何色なんだ?  ああ、言ってみろよ、ゴラァ」と
まるでチンピラのように怒鳴っていた。
久しぶりに見たぞ、ああいう白バイ隊員。
叩く その2
ランチを食べに入ったラーメン屋。
ほぼ同じタイミングで入店し、カウンターの隣の席に座ったおじさん一人。
半ズボンに大きなリュックを背負い、チャーシューメンの大盛りを頼んでいた。
私より先に出てきたチャーシューメン大盛りを前に
スマホで、何枚も写真を撮るおじさん。
ラーメンの角度を変え、自分が背伸びをしたり、しゃがんだり。
ようやく撮り終えたおじさんは、そのままスマホから写真をSNS?にUPしている様子。
後から出てきた私のワンタンメンだが、すでに1/3ほど食し終えている。
だが、おじさんはまだ食べない。
それどころか、割り箸にさえ手を伸ばしていない。
伸びるよ、おじさん。
UPした写真に、なにかのレスがあったらしく、またスマホを叩くおじさん。
この時点で、私は半分ほど食べ終えていた。
ひと段落して、おじさんが食べ始めるころには、私はすでにあらかたを食べ終えていた。
一番、美味しいタイミンクで食べたら良いのに……。
叩く その3
TVで御嶽山の噴火に関して、どうして予知が出来なかったのかと
気象庁を激しく叱責する、ワイドショーのキャスター。
北海道の某山では危険予知が出来たのに
今回出来なかったのはなぜだ!と、キャスターは激しく叩く。
正確な予知が出来ていたら、誰だって「危険ですから避難して」と、言うよね。
怠慢で予報を出さなかったわけではないでしょうし
被害を出したいと思っている人なんて、誰も居ないと思うわけ。
事が起きたときに、それを責める役の人は必要だと思うけれど
なんか聞いていて、聞きづらいのよ。
こんな時に反省する、誰かを怒るより、誰かを褒めて生きていきたいと。
叩いて気持ちが良いのは、現場で働く大工さんの金槌だけ。
と、思うのです。
仕事が終わらないのに、本日、自治会の集まりあり。
あ~、面倒くさいなぁ~~~と、思ってしまう私はダメなのか?
ンン~~~ダメよ、ダメダメ。