建設資金を全額融資!?


国交省が、来年2014年の4月から「フラット35」で、住宅購入資金の全額を融資する――と、発表したそうな。
「フラット35」頭金なしOK 消費増税の負担軽減策
今までは、住宅購入資金の9割までしか融資は受けられなかった。
当然、1割は自己資金を用意する必要があったのだか、これが必要なくなるということでしょう。
金利自体は元から安いため、住宅購入を考える人にとっては負担が減り、購買意欲をあおることになりそうだ。ひょっとして消費税増税の影響で、住宅建設に水を差さないように配慮したのかな?
さて、どんな影響が出ることやら?
水を差すわけじゃ無いけど、気になる点が一つ二つ。
まずどの設計屋さんも、一度は直面したことがあると思うが、融資のほとんどが、「家を建てる」のではなく「家を買う」事を前提として考えられているということ。そのため、融資対象となる項目に「設計報酬」なんて項目は、どこにもない。
だから建築士に家を設計して貰う方は、一つ余計な手間が増える場合がある。
全額融資をうたう「フラット35」も、たぶん同じ筈。
「家を建てたい」と考える人が、融資先の都合で、希望を適えられないなんて事が無い様に。
もう一つ。
家を建てる(建てるに拘る)人が、全額融資で家を建てるって、本当に大丈夫か?
悪く考えると、自己資金がゼロとも読める。
でもそれだと、何かと大変だよ。
設計報酬は勿論だが、建設会社との請負契約時の印紙代や地鎮祭費用。
勿論、地盤調査だって必要し、水道の加入金や局納金だって居る。
工事の完成が近付けば、保存登記や表示登記だって依頼しなければならないし、火災保険や地震保険だって加入しなければならない。そして引越し。なにかと費用は必要だよ~。
手持ちの自己資金を諸雑費に宛がい、その上で全額融資を受けるのならば良いが、ノーマネーでも家が建つと思ってしまうと、それはチョッと違うかもしれない・・・・・・・なんて思ったまで。
呑みに行くときと一緒です。
店に入る前に、自分の財布の中身は知っておかないとね。