『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成 著

就活する六人の大学生のお話。成長著しいIT企業「スピラリンクス」が、初めての新入社員を募集する。エントリーした学生の数約5000人、そのうちの6人が最終選考に残された。一か月後に行われる最終選考は「グループ・ディスカッション」。結果次第では6人全員が合格する可能性も有ると言われ、6人は最終選考に備えるために定期的に集まることになり、いつしか6人全員で合格しようと仲間意識が芽生える。だが最終選考直前に課題が変更され、「合格者は一人だけ、その一人を六人全員で決めること。決められない場合には六人全員を不合格とする」という驚くべき内容に変わった。そして最終選考日、会場となる会議室には、六人の過去を暴露するような封書が置かれていた。果たして誰の策略か、書かれていることは真実なのか、合格者はどう決められるのか。

20240511.jpg

就活を経験した人が読むと若干辛いのか、あるいは共感するのか、鼻で笑うのかは分からないが、駆け引きや心理戦と言う意味では面白かった。ただこれも映像化するのは難しいのでは?という小さくも重要なガジェットがあり、そこが気になります。テンポが良く読みやすいので、サクサクと読めます。この秋、映画が公開されるそうですので、その前にご一読されてみては如何でしょう。