最近、時々耳にする「SI住宅」の話です。さて、「SI住宅」って、なんだか知ってますか?
これは、集合住宅(所謂マンション)を造る際に、構造と内装を別々の物と分けて考え、造られるマンションのことを言うのです。(S=スケルトン・骨組み I=インフィル・内装)を指しているのです。
この発想は、骨組みを長期間持たせ、短期での改修が必要となる内装を別の物として捉える事により、マンション全体の寿命を延ばそうというライフ・サイクル・コストさえ睨んだ考え方の産物なのです。
素晴らしい~~~ここまでは・・・。
ところが当然始めたばかりの試みですから、問題も沢山あります。まず高い。
それにある意味で、住戸一所帯ずつに対応すると言う部分もある為、建物全体の完成時期が読めないなどです。
でも私には、もっと他の部分に問題が有るような気がしてしょうがないのです。この「SI住宅」の考え方を建設省が研究し始めた途端、名のある大手のデベロッパーが、「うちはSI住宅です」と売り出し始めました。DAIKYOを始め、長谷工・大和ハウス・積水ハイム・野村不動産と、大手ばかりです。しかも、そのマンションの売り単価は、異常に高い。でもなぜか即日完売。ホントに大丈夫?
【私の疑問点 その1】
どんな物でも、新製品と言う物には必ずトラブル、つまり初期不良が付き物です。車・パソコン・携帯電話等など。それなのに、マンションと言う「金額の高い建物」を試作段階と言うような状態で、ホントに買っても大丈夫なの?躯体(構造体の事)と内装や設備配管を分離して造ると言うけれど、それって簡単な事じゃないと思うんだけど?
もし、それが簡単に出来るのなら「どうして今までやらなかったの?」それに、今でも建設省は「研究段階」だと発表しているのに、どうして民間企業は「もう完成体です!」と売れちゃうの?この構想を打ち出したのは、まだ1年半程前の事だよ。とっても不思議です?
【私の疑問 その2】
仮に、SI工法の技術が確立していたとしましょう。でも、それで「100年マンション」と銘打って販売して良いのかなァ?誇大広告じゃないの?
マンションは、一戸建て住宅ではありません。あくまでも、共同住宅なのです。
上下にも左右にも、他人様の家がくっ付いて住んでいるのです。その、「共に住む」と言う事が「SI工法」の確立だけで、すべて解決したような誤解を与えて良いのかなぁ?例えば騒音に対する配慮は?管理は?修繕は?と、「共に住む」ならば解決しなければならない諸問題には、触れていないのはなぜ?
また、本当に100年住むのなら、保全管理に関しては今の何倍も気を付けなればいけないと思うんだけど、それは今のままで良いのかなァ?穿った見方をすれば「SI住宅」ですと言う事を免罪符に、低迷する販売戸数を伸ばす為だけの、作戦に見えてしまうのは私だけなのかなァ?私は、この「SI住宅」のうたい文句に釣られて買った人の中から、欠陥問題や施工不良の問題が起こりそうな気がするけどなァ・・・。
だって以前私が「100年マンション構想」をあるデベロッパーに話した時に、言ってたじゃない?「そんな物造ったら、後が売れなくなるからダメだ!」って。あれは何?それとも「SI住宅」の場合、ショートサイクルでの内装や設備の改修工事が発生するから、そちらで儲けさせて頂きましょう、と言う事なのかなぁ?
今後の「SI住宅」なる物の動向を見ていたいですねぇ~。
個人的には、「今は、購入時期ではない」と言いたい。(なんだか、相場士みたい・・・笑)
どなたか「SI住宅」に住んでいる人が居たら、その辺りの話が聞きたいなァ~。