Essay 49 ITの効率的な活用

家を建てる時、大事な事の一つに「誰と建てるか?」があると思います。この「誰と建てるか?」の選択次第で、「家」の出来は大きく違ってくるからです。そして、その選択肢は以下の4つしかありません。


1,大工さんや工務店と建てる
2,住宅メーカーで建てる
3,設計事務所と建てる
4,建築条件付の土地で建てる


まあ、例外として「自分で建てる」と言う人もいるようでが、その方は置いといて(笑)


まず「1」の建て方を選ぶ方の多くは、知人や親戚に建設関係者がいる事が多く、「初めに施工者 有りき」になってしまうようです。この場合、残念ながら「設計」と言う事に「主眼」を置かれない事が多く、結果的に住み手のニーズを、正確に引き出した建物には成り難いと思われます。大工さんは「工事するプロ」であっても「想像するプロ」ではありません。


ですから、残念ながら「過去の経験」が全てで、新しい発想や対応には不慣れな事も有ります。それよりも「天井板は無垢板を使ってる」と言った、材料にばかりに興味がいってしまい「材料の使用見本」のような家になりがちです。また万が一、工事でトラブルが発生した場合、なまじ知り合いだから余計に「ややこしい」事になってしまいます。感情論での対応になることは必至です。


こうなった時には、絶対に「住み手」に勝ち目は有りません。だって、素人でしょ?あなた?親戚や知人と裁判までして、揉める気が有りますか?つまり、公平な眼で判断できる第三者が不在なのです。


「2」の場合、住み手は自分の好きな物を「買える」訳ですから、非常に楽チンです。展示場に行って「これとこれ、下さいな!」と言えば包んでもらえる訳ですから(笑)ただし、「1」の場合もそうですが、いざ工事になれば「主導権」は施工者にあります。つまり「住み手」の立場に立ってサポートしてくれる人は誰もいません。
一人ぼっちで「あれは大丈夫かしら?これは平気なの?」と、気を揉むだけです。でも、煩わしい事は一切ありません。ハンコとお金だけ用意してあれば、後は適当に造ってもらえますから(笑)


「3」の場合、探すのが大変です。どの設計事務所が、自分達にとって「良い設計者」なのかを探すのは至難の技です。1,2,3の中で、唯一「知らない相手」だからです。「1」は、知り合いの場合が多い。「2」は展示場で見る事が出きるし、テレビでも見た事がある大手かもしれません。でも、設計事務所は違います。今までに「縁もゆかりも無い人」なのです。ここが「設計者と家を建てない」大きな理由だと考えられます。


「4」は、土地とワンセットなら仕方が無いと、諦める人が多いようです。「建物より土地!土地が良ければ、どんな建物でも最高!」と勘違いしている人も、中には要るようです。


余談ですが「建築条件」は、近頃では外せる事もあります。そこに携わる設計者が優秀な方なら問題ありませんが、質の低い設計者だったらどうするんですか?
住むのは、あくまでも「家」なのです。多少、土地の形状が悪くても「建物の設計力」で、なんとか成る物です。でも、設計力・発想力が無ければ、どんなに良い土地でも、「住む」行為は最低かもしれません。


と、考えて行くと「設計者あるいは監理者」の重要性は、火を見るよりも明らかです。昨今は、設計者探しにインターネットが一役買っているようで、資力・財力の無い「設計者」が自分のCMをするのに、ホームページを立ち上げている事が多くなりました。(アハハ、私もそうですが)このHPから、探してみるのは非常に効率の良い方法かもしれません。


なぜなら「住み手」にとって一番大切なのは、「意思の疎通」が図れる事だからです。考え方・生き方・疑問等など、とにかく話し合わなければ成りません。ところが、これが以外と煩わしい。時間や都合を気にしての外出や訪問、面倒な物です。そこで「メール」が重宝するのです。


知りたい事や思っている事を、好きな時間に書いて送る。その返事も都合良く返ってくる。これで少しでも意思の疎通が測れるのなら、簡単でしょ?ダメだと思ったら「ゴメンナサイ!」で終わりなのですから。


その上で、実際にお会いすれば良いのです。メールだけでは、伝えられない事も有ります。聞けないこと、見えない事があります。だから、実際に会うことは絶対に重要なのです。そこのところを、お忘れなく。


じゃあ、実際に「数ある設計事務所のHP」から、どうやって自分達に合う設計事務所を探すかと言えば、多分根気でしょ(爆)だって~~~、星の数ほど有るんですから、それはそうでしょう~(笑)あとは、運!前にコラムで書いたと思いますが、「男と女」の恋愛みたいな物ですから、多少は運はありますよ。それらしい事務所を見つけたら、後は話す。価値観や考え方・大切にしている事や、何よりも「一生付き合えそうか?」と言う雰囲気を感じる事でしょうね。


また、インターネットを通じて知り合えた設計事務所なら、当然インターネットの環境は整っているわけです。やり方によっては、毎日の現場の進行状況が、写真で見られるかもしれません。工事をしてくれる施工者の監督さんに、デジカメで撮ってもらった写真を送ってもらえば良いだけですからね。


また、質問や変更事項も全て文章で残せます。つまり、言った言わないの勘違いもなくなります。素人の方には、なかなか判りにくい「作業」も完全にオープンにする事も出来るでしょ?
そんな活用法を考慮すれば、非常に透明性の有る「設計・施工・監理」が出来ると思うのです。


住み手が許すのならば、1度試してみたいですね。
始めてお会いする時から、設計中のやり取り、工事の状況を、全てホームページで完全実況中継するんです。時々、解説を盛り込んだりしながら、「家造り」の全てを見せてしまう。面白そう(笑)


どなたか、私と「公開家造り」をしてみませんか?