今回は掲示板に御寄せ頂いた質問にお答えする、初めてのケースです。
マンションに限らず一戸建ての住宅でも、既に建っている建物を購入するのは、難しい事だと思います。まして、それが「中古の建物」となれば、その選択は慎重の上にも慎重を重ねなければいけません。本当は、オブザーバーを・・・つまり、「助っ人」を頼んで、吟味してもらうのが一番良いと思いますが、それが出来ない場合の注意点を書いてみます。
まず「中古マンション」を探す時の、大きな注意点は以下の4つだと思います。
1,環境
これは、建物周囲の環境や利便でしょう。商店街や学校、バス停と言った交通網や生活に便利な事ですね。これは、私が書かなくても良いでしょう。問題は、「マンション内」の環境です。既に、先に住まれている方々がいらっしゃる中に、入っていくのですから先住者の方々の影響は、考えなければいけません。近所付き合いやゴミ問題、上下左右階の家族形態(音の問題など)を確認する必要はあります。また、治安なども聞いてみる必要はあるでしょうね。それから、建物が「高速道路や海」の近くの場合、振動や騒音・海風による塩害も考慮しなければいけません。
2,品質
建物の築年数は、重要なポイントの一つでしょう。築20年なら止めた方が良いでしょうね。精々、築5年から10年まで行くと、少し辛いかもしれません。10年前と言えば「バブル崩壊」直後です。この時期の建物には、値段を安く押さえるために、随分無理をした建物が多いからです。
建物内部の壁や床・天井の取り合い部などのヒビや、割れを注意する事は勿論、建物外部つまり、廊下と壁、建物の基礎部や窓周りの状態も確認するようにしましょう。この取り合い部に、ヒビが入っているような建物は、危険です。許容できるヒビは場所によりますが「ヘアークラック」程度です。つまり、髪の毛の細さ程度と言う事です。
また、マンションの場合、壊れたり古くなった際に一番困るのは「水周り」です。浴室の汚れや排水のつまり具合、匂いなども注意して下さい。それから、建物が4階建て以上の場合、水は高架水槽(屋上に乗っている水タンク)からの供給か、地下の受水槽からの加圧供給になると思います。これも、どの程度管理されているのかを、確認して下さい。
(昔、ねずみの死骸が入っていた高架水槽を知っています)
理想的なのは、「阪神淡路震災」以降の建物でしょう。つまり1996年以降です。(築4年程度)これは、震災が起こった翌年からの法律改正に適合していると考えられるからです。
マンションに限らず、建物は「築20年」に大きな山場を迎えます。この時期が近いのか、遠いのかは大きな問題です。
3,価格
価格は、購入時の価格の他に共役費や管理費、駐車場代や修繕積み立て金が必要となります。この修繕積み立て金の話しだけで、コラムが一話書ける程、複雑なものです。
この金額が、高いと月々の負担が大きくなりますが、逆に少なすぎると「いざ工事!」の時の一時金が、多くなります。長期保全計画書を確めるぐらいの、周到さは必要でしょう。その上で、無理の無い返済計画を。
また、自治会や役員活動と言った団体活動にも、若干の費用は掛かりますからね。
また、新築マンションと違い「価格交渉」が出来ると、覚えておいた方が良いでしょう。場合によっては1,2割下がることだってありますからね。用は交渉能力です。
4,管理組合の質
長期保全計画の話しに続きます。建物は新築時から「朽ち果て始める」物です。
ですから、それを長持ちさせる為に、定期的な補修が必要なのです。その補修計画や予算がキチンと立てられていないマンションは、絶対ダメです。
また、分譲のマンションが賃貸と唯一違うのも、この点だと思います。好む好まざるに関わらず、必ず入居者は組合に入り、この活動の一部を担わなければなりません。共に住むというのは、それが「生涯もの」なだけに、厄介な側面も持ち合わせている事を、忘れてはいけません。この煩わしさから逃れる為に、一戸建てに移ると言う方もいるほどです。
(他にも、有るとは思いますがご意見は掲示板にお願いします)
以上、大まかな目安や考え方を書いてみました。本当は、「プロのアドバイザー」と一緒に探すか、適当な候補が選べたら、一緒に見てもらう方が良いと思います。多分、日当程度の報酬は必要でしょうが、より安全な物件選びが出来ると思いますので。
別紙に簡単なチェックリストを作ってみました。購入時の目安になれば幸いです。ただ、急いで作ったので内容は、甘いかもしれません。