えぇ~!!「10年保証」違いだったんですねー。それでは、うちが入っている「10年保証」って 何を保証してくれるのでしょう?思いっきり、基本的な質問でしょうか・・・。
と言う「お気楽ゴン太さん」の掲示板への書き込みを頂きました。それにお答えする形で、「10年保証」に付いて書いてみることにします。
まず前提条件として、今年2000年の3月31日までは、木造住宅の瑕疵担保責任は、原則として2年しかなかったと言うことです。瑕疵担保責任とは、製造過程で発生した重大な失敗を、責任を持って保証すると言うことです。
ところが、将来的には「品確法」を設け「10年保証」を考えていた建設省は、別の団体を設置することを思いついたのです。それが1980年に設立された「財団法人 性能保証住宅登録機構」(略して住宅保証機構)なのです。
この団体では、短すぎる瑕疵担保責任を、保険料を支払うことによって10年まで保証すると言う趣旨で作られました。ゴン太さんが見積書の中で見た「10年保証申請料」あるいは「登録料」と書かれていたのが、この保険料みたいなものなのです。
その金額は建物の工事費によって変わります。通常、建物価格の0.53%+消費税となり、2000万円の住宅ならば、10万6千円と消費税が必要になるのです。
なぜこんな費用が必要になるのかは、薄々お判りだと思いますが、町場の工務店や大工さんは10年間保証するには、財力が足りないので、こうして保険のようなシステムを取っているのです。また、このシステムを使うには工事をする施工者が、住宅保証機構に登録加盟しておくことが前提となります。登録に際しては、健全な経営や正しい住宅を供給することが出来る能力などの審査が行われます。
さて、どんな内容を保証してくれているのかと言えば、その内容は次のように短期と長期に分かれます。
【長期部分 10年保証】
・基礎、柱、梁など主要な骨組みや構造体
・床、壁、屋根を保つ骨組みと防水
と言った建物本体に影響するような部分に関しては、全5箇所の10年保証が決められています。(下記の屋根防水も含まれます)
【5年保証】
・屋根の防水に関して
【短期保証 1年ないし2年】
・土工事に関する部分(沈下、陥没、隆起など)
・コンクリート工事(極端なひび割れや沈下)
・木工事(材木の変形やそり、隙、きしみなど)
・ブロック工事(亀裂、破損など)
と言った内容で、全19項目の短期保証内容があります。この内容って施主に知らされてないのかなぁ・・・?素朴な疑問。
さて、この保証機構の「10年保証」と、今回制定された「品確法」の性能表示は別の物です。性能表示に関しては、施主が建物の部位に関して自分で等級を決め、その内容通りに造って貰うと言う事で、これは今年からの物で【任意】なのです。つまり、やりたくない人は「やらなくても良いですよ!」と言うこと。でも「建物の瑕疵担保責任は10年に義務化」されたのです。
はい!懸命な皆さんなら、もうお気づきでしょうが完全にパラドックスが生まれています。つまり混乱していると言うこと・・・。
例えばゴン太さんの家を建てるときには、瑕疵担保責任期間は2種類有ったのです。「保証機構に登録している会社の10年」と「登録していない会社の2年」です。当然、長く保証してくれるほうが良いでしょう?でも「保証機構」に登録していない建設会社もあったのです。それが今年からは、全てが10年保証しなさいとなった。じゃあ、今まで「保証機構」に入って無かった会社は、どうすれば良いのでしょう?
一人で頑張っている腕の良い大工さんが、10年保証すると書面で提示しなければいけないのです。その為には「何らかの団体や組織」に登録し、自分の代わりに10年保証できるシステムを探さなければなりません。
なんだか、とっても複雑になってきました。まぁ、正しい工事をしていれば10年だろうが20年だろうが関係ないんですけどね。
そうそう!一つだけ情報があります。建物の契約書を交わすとき、「建物の瑕疵担保保障期間は5年です」なんて一文が載っていても、ダメなんですよ~。建物個々に保障期間を短くするようなことは、例え契約書に書かれていても、「品確法」のなかで、「10年の保証」が謳われた今では、こんな条件無効なんです。覚えて置いて下さいね!
ゴン太さん、判りましたか?