Essay 119 邪魔者は消せ!

ご自分の家を考えるときに「建築雑誌に載っているような家が作りたいわ~」と夢見る方も少なく無いと思います。そこで今回は特別に「こうすれば貴方の家も建築雑誌の家と同じ用な家になる」と題して、簡単なセオリーをご紹介しちゃいましょう!


考え方は簡単!「邪魔物は全て消せ!」これだけです。「家を作るのに邪魔な物なんか有ったかしら?」と真剣に考えちゃあイケマセン!これは、あくまでも考え方で邪魔だから柱を取っちゃおう・・・なんて言ってる訳ではありません。


ここで言ってる邪魔物とは、見えているパーツを消すか隠す事を言っているのです。例えば「回り縁」。これは壁と天井のぶつかっている部分に設けられている物ですが、これ止めちゃいましょう。で無くしてしまう。あと「幅木」も止めちゃいます!若しくは壁と同じ色か材料で解り難く隠しましょう!あとは・・・窓の周りに付いてる「額縁」も取っちゃいましょう!壁材を回り込ませスッキリと収める方法が良いですね。


まだ有りそうですね。そうだ!照明器具も露出型のペンダントやシーリングライトを止めて、天井に埋め込むダウンライトや、角度の変えられるスポットライトなんかにしちゃうのが良いですね。それからエアコンなんて絶対ダメ!床暖房にしましょう。うんうん、これなら見えない。


それから収納用の扉も「ここに扉がありますよ~」と主張させるのは止めて、その壁一面だけ扉の表面材と同じ物で仕上げたら、ホ~~ラどこに扉があるのか解らない。スッキリしてきましたね~。


調子が出てきたからドンドン消しちゃいましょう!敷居なんかも邪魔ですねぇ~。敷居が床より出っ張ってるなんて問題外!床面と同じ高さのものでも、見るからに敷居ならダメ!これも消してと。えっ?それじゃ扉が動かないですって? アハハ、それじゃあ「Vレール」の細いものを入れるか、ハンガー式で扉を吊っちゃいましょう。これなら大丈夫。


それから家具やテレビなんかも、必要が無い時は扉で隠しちゃうと良いですね。勿論、トイレの掃除用具なんかもチャンと仕舞える場所を最初から作るんですよ。当然、これも「ここに隠してありますよ~」なんて見るからに解っちゃうのはブ~~~です。


それからカーテンボックスも天井の中に隠して、カーテンじゃなくてロールブラインドにしますか?これなら畳んでいる時は見えなくなっちゃいますからね。

ほ~らどうです。綺麗サッパリ部屋の中には、何にも無くなっちゃったでしょ~。これだけスッキリしたら写真を撮りましょう。使い捨てカメラじゃ無くてチャンとした一眼レフのカメラで、レンズも24mmぐらいで撮って下さいね。


で出来上がった写真を見ると、ホ~ラまるで建築雑誌に載っている家みたいに見えるから不思議です。「オモシロソ~」と思われた方は、どうぞお試しあれ!ただし、チャンとした設計士と相談した上で、キチンとした収まりを考えて貰って下さいね。じゃないとトンでも無い事になっちゃいますから。


今回は冗談ぽく書きましたが、言ってる事はあながち冗談でも有りません。パーツを主張させるデザインも有れば、隠してしまうデザインも有ります。近頃は何でもかんでもゴチャゴチャと飾り付ける事がウケるようですが、時として下品に見えることも有ると言う事です。


キチンと計算されたデザインなら美しいですが、そうでない物はいづれ飽きちゃうかもしれません。折角の家なのですから、細かい部分まで考えられると良いですね!・・・と言う話でした。じゃあ!